画像所見と身体所見は一致しないことがある!?―脊柱管狭窄症と診断された患者様の歩行時痛が改善したケース―

「病院で脊柱管狭窄症と言われたけれど、なかなか良くならない…」
このようなお悩みを抱えて来院される患者様は少なくありません。

今回は、右殿部(お尻)と右下腿部(すね)に歩行時痛があった患者様の症例をご紹介します。

患者様は以前、整形外科で画像検査を受け、脊柱管狭窄症と診断されていました。治療を続けても症状の改善が乏しく、「歩くたびに痛みが出てしまう」「右足に体重をかけるのが怖い」という状態でご相談いただきました。

実際に初回の歩行を確認すると、右足に体重を乗せた瞬間に痛みが出るため、無意識に身体を右側へ倒して負担を逃がす代償動作がみられました。歩幅も小さく、スムーズな歩行が難しい状態でした。

ここで大切なのは、画像所見と実際の身体所見は必ずしも一致しないということです。

MRIやレントゲンで脊柱管狭窄症と診断されても、その画像所見が“今出ている痛みの原因”とは限りません。特に年齢を重ねると、多くの方に多少の変形や狭窄は見られるため、「画像に映っている異常=痛みの原因」とは言い切れないのです。

そこで、当院では画像診断だけに頼らず、実際の身体の動きや関節の状態を細かく評価していきます。

この患者様を検査したところ、問題が見つかったのは仙腸関節(せんちょうかんせつ)でした。

仙腸関節とは、骨盤にある関節で、上半身と下半身をつなぐ非常に重要な部分です。この関節に機能障害が起こると、歩行時や片足荷重時に痛みが出やすくなります。

また、仙腸関節由来の痛みには特徴があります。
それは、痛みが分節的に現れることです。

例えば今回のように、

  • お尻が痛い
  • 太ももは痛くない
  • すねが痛い

このように、「間の部分は痛くないのに離れた場所に痛みが出る」というパターンです。

一方で、ヘルニアや典型的な脊柱管狭窄症では、神経に沿ってお尻から太もも、ふくらはぎ、足先まで連続的に痛みやしびれが出ることが多いです。

こうした症状の出方や身体所見から、今回の患者様は脊柱管狭窄症そのものが主な原因ではなく、仙腸関節の機能障害が痛みの中心だと判断しました。

治療では、仙腸関節の動きを整え、周囲の筋肉の緊張を調整し、正しく体重を乗せられる状態を作っていきました。

すると治療後には、患者様ご本人も驚くほど変化がみられました。

歩行時の右への体の傾きが大きく改善し、歩幅も自然に広がり、右足にしっかり体重を乗せても痛みなく歩ける状態になったのです。

「こんなに楽に歩けるのは久しぶりです」と笑顔で喜んでいただけたことが、とても印象的でした。

今回の症例から改めて感じるのは、
“画像だけで判断しないこと”の重要性です。

もちろん画像検査は非常に大切ですが、それだけでは分からない身体の問題も多くあります。

痛みの本当の原因を見つけるためには、

  • どんな動きで痛むのか
  • どこに体重をかけられないのか
  • どの関節に制限があるのか

こうした身体所見を丁寧に確認することが欠かせません。

「脊柱管狭窄症と言われたけれど良くならない」
「坐骨神経痛と言われたけれど違和感がある」
「画像では異常があるのに、治療しても変わらない」

そんな方は、もしかすると別の原因が隠れているかもしれません。

当院では、画像所見だけでなく実際の身体の状態を丁寧に評価し、一人ひとりに合わせた施術を行っています。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

GRIT鍼灸整骨院院長
大阪府出身
柔道整復師・鍼灸師

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